
「空気清浄機を買いたいなぁ。でも、家電量販店やネットを見ると、似たような機種が多すぎて、正直どれを選べばいいか分からない…。
『適用床面積◯畳』,『風量◯m³/分』みたいな数字も出てくるけど、それが実際の “キレイさ” とどう繋がるのかイメージできない。
口コミやランキングを見ても、『結局どのメーカーが一番しっかり空気をキレイにしてくれるの?』,『値段の差は性能差なのか、ブランド料なのか?』と、
モヤモヤして、なかなか購入に踏み切れない…」
⸻

空調家電売場で毎日のように空気清浄機を案内していると、ほぼ全員がここでつまずきます。
実は、空気清浄機の “性能の数字” は、どの規格でどんな試験条件で測ったのかによって印象がガラッと変わります。
古い規格のまま出している機種もあれば、自社に有利な条件だけを大きくアピールしているメーカーもあります。
この記事では、販売員として現場で見てきたリアルな差を元に、
✅『どの数字を見れば、本当の実力が分かるのか』
✅『宣伝に振り回されずに比較する基準』
を整理しました。
“なんとなく有名メーカーだから” ではなく、ちゃんと性能を理解して納得して選びたい方は、是非、ゆっくり読み進めてみてください。
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【当記事を読むメリット】
空気清浄機の規格から理解でき、誰でも簡単に、個々の空気清浄機の能力差が分かる
⸻
空気清浄機の性能比較|家庭向け空気清浄機は大別すると3つの階層に分類できる

最適な空気清浄機を明快に炙り出す指標|しかし、現場の販売員すら理解している人は少ない
空気清浄機を検討・購入する際、あなたも必ず性能比較をしますよね?
しかし、その際、何も指標を持たずに選ぼうとしても、途方に暮れるだけ。
実際、空気清浄機の検討・購入がややこしく感じてしまう最大の要因が、
空気清浄機の性能を測る指標が、大別すると3つも混在している事
です。
しかし、この指標こそが空気清浄機を検討・購入する際に、製品を見定める明確な要素です。
製品は『規格』や『試験』という枠組みの中で、製品力を最大限に高めていこうと技術した結果
↓
その規格や試験を具現化したものが個々の製品
↓
規格や試験にも優劣があるため、それぞれの規格ごとの優劣がそのまま製品力の差になる
です。
よって、個々の具体的な製品間の違いをしらみ潰しに探していくよりも、以下の3つを理解すれば、空気清浄機の前提知識がないあなたでも、簡単に選ぶべき空気清浄機が分かります!
(しかも、本質に沿った選択が可能!)
【空気清浄機の能力差を見抜く3つの方法】
- 空気清浄機の性能における代表的な3つの階層の特徴をそれぞれ理解する
→何を持って、高性能な空気清浄機と評価する階層なのか? - 3つの階層の優劣を知る
- 気になる製品がどの階層に属するかを知る
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この3点は、この後、しっかり解説するので楽しみにしておいてください。
余談ですが、

当記事で紹介する内容は、店頭で販売している販売員達もあまり理解していません!
理解どころか、表面的なカタログ情報を比較して伝えるだけで、当内容を知らない販売員が多いです!
しかし、表面的なカタログ情報だけを比較して伝えられる接客を受けるだけでは、あなたに相応しい空気清浄機に辿り着くのは難しいでしょう。
なお、当記事では、
『性能が高い空気清浄機=清浄の質が高い』事を指す
↓
いかに、部屋を広く均一に清浄できるか?
いかに、吸い込んだものを本体内部に、あるいは、室内に漏らさないか?
↓
すなわち、より “緻密に” 清浄できるもの程、高性能な空気清浄機と位置付ける
と定義しておきます。
空気清浄機の性能比較の裏づけとなる三階層の序列|空気清浄機の性能は『規格』で決まる
空気清浄機の性能は、スペック表の数字だけでは判断できません。
なぜなら、メーカーごとに
採用している規格や試験方法が違う
からです。
この違いを理解すると、
製品の本当の性能差が見えてきます。
さて、その三階層を図にすると下記の通りです。

図を見てもらうと分かるように、
【空気清浄の質の観点では…】
という事です。
では、なぜこう言えるのか?
それを次章で1つずつ見ていきます。
⸻
日本規格(JEM1467)|『風量のみ』を評価(※部屋や空気を清浄できたか否かは不問)

日本で販売される多くの空気清浄機は、日本電機工業会が定めるJEM1467に基づいて適用床面積を表示しています。
しかし、この規格が評価しているのは、
風量のみ
であり、
ではありません。
詳しくは下記で詳説しています👇
集じんフィルター自体は、JIS規格で厳格に定められた高性能なものを大半の製品が使用

【日本規格で専ら使われる集じんフィルター】
名称は、HEPAフィルター
↓
「定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率を有しており、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター」とJIS規格で規定
⸻
JIS規格のHEPAフィルター自体は、非常に優秀です。
しかし、空気清浄能力の測定に日本規格を採用する空気清浄機は、
【日本規格の空気清浄機の問題点】
と言えます。
日本規格の空気清浄機の本体内部はスカスカでダダ漏れ|JIS規格のHEPAフィルターが活かせていない
HEPAフィルターを搭載していても、本体とフィルターの密閉性が十分でなければ粉じんは漏れます。
つまり、“高性能フィルター=高性能な空気清浄機” とは限りません!
下記の写真は、パナソニック加湿空気清浄機『FVXV90』(最上位クラス)の内部です。

⸻
説明するまでもなく、見るからに汚いですよね(笑)
これは要するに、
本体とフィルターとの間の密閉性がない、すなわち、フィルター周りがスカスカ
だからです。
本来、本体とフィルターとの間の密閉性を高めると、
結果、利用者にとっては嬉しい事ですが、
密閉性が高い,いわゆる、質が高い空気清浄機では風量が落ちてしまう
↓
要するに、風量だけを求める日本規格の試験では、“低性能扱い” となってしまう
ため、こうした代償が払われています。
あくまで、工業製品たるもの規格内で評価される製品を作っています。
【日本規格に則った空気清浄機の評価基準】
風が強ければ強い程、“高性能な空気清浄機” としての評価を与える
つまり、幾ら、本来あるべき『質』を高めた所で、評価対象には入りません。
したがって、
内部がスカスカの方が空気の流入流出量が多くなる
↓
結果、風量は上がるが写真のように “ダダ漏れ” となる
訳です。
そして、その漏れは本体内部に留まらず、もちろん、部屋にも巻き戻されてしまいます。
さて、漏れない程度の大きいほこりくらいは集じんフィルターに留まりますが、実は、花粉程度でも大いに漏らすのが日本メーカーの空気清浄機。
現に、それを立証する動画があります。
説明では脚色できても、暗室では隠せない日本規格の空気清浄機
当然ですが、明るい部屋だと空気の動きは見えません。
逆に、暗い部屋だと空気の動きが見えます。
数年前、主要4社の空気清浄機を暗室に並べ、空気清浄能力の実態を明るみにするCMがありました。
真っ暗の空間では、コントラストで『白煙』の動きが分かる
(=様々なサイズの微粒子を混ぜた液体をスモークマシーンで煙化させたもの)
↓
※空気清浄機が吸い込んだ微粒子をいかに漏らさずに本体内部に密閉できているか?
↓
※あるいは、実は、いかに漏らしてしまっているか?
⸻
30秒で見られますので、どうぞご覧ください。
⸻
いかがでしたか?
これが現実です。
シャープ,ダイキン,パナソニックなどの空気清浄機は、本体とフィルターとの間がスキマだらけ
↓
密閉性がないため、花粉程度の汚染物質ですらも多々漏らしてしまう散状
です。
なお、この動画では、
日本規格の空気清浄機はこの程度の大きさでも多分に漏らします。
ちなみに、
潰れていないor破裂していない原型を留めた花粉こそ、サイズは概ね1mmの30分の1程度ですが、
都市部の花粉は、粉砕されて1mmの10,000分の1〜1,000分の1程度にまで砕かれる
↓
日本規格の空気清浄機の密閉性能では、花粉を部屋全体から効率良く減らせているとは限りません!
つまり、一度吸い込めば終わりではなく、吸い込んだ後も “漏らさない設計” が空気清浄機では重要なのです。
⸻
日本の空気清浄機は循環能力が乏しいため気流が作れない
部屋の空気をきれいにしようと空気清浄機を使う以上、本体周辺の空気を
だけでは本来の目的が十分に果たせません。
重要なのは、
部屋の空気を撹拌させ、全体の空気が空気清浄機に引き込まれるように気流を作る事
です。
まずは、撹拌させる事です。
それができると、空気は自然と流れ始めます。
結果、自然と遠くの空気が吸い込まれてきます。
論より証拠に、下記は、空気の流れのデモ動画です。
⸻
この動画の指摘が優れていると思うのは、
動画下の『サーキュレーターなし』の場合
部屋全体を循環させられなければ、空気清浄機の近辺に空気が溜まり、離れた場所には十分な効果が届かない事が分かる
↓
しかし、これは、“多くの一般的な空気清浄機で見られる現象”
↓
それを目に見える形で顕にしてくれている
↓
逆に言えば、動画上の『サーキュレーターあり』から分かるように、広い範囲を清浄しようとすれば、どんよりと澱んで重たい室内の空気を撹拌させて、動きやすくする事が大事
⸻
幾ら適用床面積が広く表示されていたとしても、部屋全体へ空気が循環しなければ、動画のように空気清浄機の近辺に空気が溜まるだけです。
要するに、動画下の『サーキュレーターなし』のように、
幾ら記載適用畳数が広い製品を使ったとしても、現実には全体をきれいにしているとは程遠い
↓
適用床面積の数値の大小は関係ない
↓
もちろん、メーカーの知名度,購入金額の大小も関係ない
訳です!
それが目に見えていないので、消費者が “きれいになっている”と思い込んでいるだけです!
しかし、実感が伴わないため、

「空気清浄機を使っているけど、正直効いている気がしないんです!」
という利用者からの相談が少なくない訳です。
ちなみに、先の動画に続き、下記は、空気を撹拌・自ら気流を作る事ができるダイソン空気清浄機のスモークテストです。
⸻
空間の真ん中で滞留したスモークが、突如、流れるように吸い込まれていきましたよね?
これが『攪拌』によりもたらされた気流効果です。
しかも、多くのダイソン空気清浄機の場合、本体を起点に水平に部屋全体に気流を作ります。

(エアマルチプライアーテクノロジー)
『エアマルチプライアーテクノロジー』と呼ばれる周りの空気を巻き込みつつ、増幅させながら排気する構造により、サーキュレーターやエアコンなどに頼らずとも、自ら広範囲に気流を作る事ができ、結果、隅々まで清浄ができる訳です。
しかし、それだと抽象的なので、ダイソン空気清浄機は、平たく“扇風機としても使える” と言っているだけです。
この “部屋全体に気流を生み出す風” こそが、空気清浄を成立させるために欠かせない要素です。
⸻
日本規格では、部屋や空気をきれいにしたかどうかは一切問われません!
【日本規格に則った空気清浄機の評価基準】
風が強ければ強い程、高性能な空気清浄機としての評価をする
というものです。
「あなたは、“風さえ強ければ評価される空気清浄機”でいいんですか?」
という話です。
では、日本規格が、“風量しか評価していない”のはなぜかと言うと、
元来からあった換気扇の規格を、後の空気清浄機の規格にそのまま使っている
からです。
更に詳しく、日本の空気清浄機の性能の実態を知りたい方は👇
⸻
一旦、ここまでの要点をまとめると、下記の2点です。
【日本規格(JEM1467)】
- 換気扇のための規格を、室内用の空気清浄機のための規格に引用
- つまり、日本規格(JEM1467)は、“空気清浄機のために最適化された基準ではない”
したがって、
部屋をどこまできれいにできるかは、この規格からは高い期待が持てません!
(∵そもそも、それを追求した規格ではない!)
先の動画にもありましたが、

画像のように、単一で気流を作る事ができない空気清浄機の排気を上方or前方にしか出した所で、例えば、23畳の端から端までの空気清浄を期待する方が無理があります。
これは、適用床面積の大小に関わらず、
JEM1467で比較できるのは、 “風量差だけ”
という事です。
さて、次項は、2つ目の規格・米国規格(CADR)です。
⸻
米国規格(CADR)|①風量+②『ほこり,タバコの煙,花粉』の除去率を評価

フィルター規格の採用状況は、各社で異なる
当記事の序盤にて掲載していましたが、

フィルター規格並びに空気清浄能力測定に採用する規格は、各社マチマチ!
空気清浄機の清浄能力は、もちろん、
『フィルター+本体』
での全体で決まる訳ですが、
前提のフィルター規格の採用はメーカーによりけりという事です。
製品間の数値の公正を期すならば、フィルター規格も足並みを揃える所ですが、
空気清浄能力の測定に用いる
米国規格では、フィルター規格以上に、『CADR』数値、すなわち、Clean Air Delivery Rate:クリーンエア供給率、“きれいな空気の供給量がいかに高いか否か”で評価する
言い方を変えれば、
米国規格においては、メーカー間で採用するフィルターの性能差はさほど重要ではない
という事です。
では、その米国規格(CADR)を見ていきましょう。
空気清浄能力の指標・米国規格CADRとは?
日本規格に続き、2つ目の規格は『米国規格(CADR)』です。
米国規格(CADR)とは、
AHAM(米国家電製品協会)が定める規格で、CADR(クリーンエア供給率)が指標
↓
風量+『ほこり,花粉,タバコの煙』の除去率を数値化させたもの
(CleanAir Delivery Rate(=きれいな空気の供給率))の略
です。
『風量を評価する』点では、日本規格と同様ですが、
AHAMでは、
単位風量内の『ほこり,花粉,タバコの煙』に関しては、厳密に除去率を算出
しているため、
単に、“風量だけを評価する”日本規格とは、緻密さが明らかに違います。
この時点で、日本の空気清浄機の方がレベルが低いのが分かります。
具体的には、下記の600ないしは450が最高値。
【CADRの各項目の最高値】
- タバコの煙→600cfm
- ほこり→600cfm
- 花粉→450cfm
※1CFM=0.0283㎥/分(後述)
です。
なお、米国を中心に採用されている『ヤードポンド法』に基づく風量の単位が、
日本仕様に換算すると、『1CFM=0.0283㎥/分』
つまり、
【CADRの各項目の最高値を日本仕様に換算すると…】
⸻
これらの除去風量を最高値とし、そのうち、
製品ごとに、どれだけの除去された風量が供給できるか?
を示すのが米国規格。
具体例は、下記の企業です。
これは、『ブルーエア』というメーカーの空気清浄機カタログの一部です。
ブルーエアは、米国規格(=CADR)を採用している筆頭メーカー
です。

見づらいかもしれませんが、
【ページ上段に、各製品ごとのCADR値が掲載】
という事です。
米国規格の空気清浄機を使いこなすには『大風量』がカギ|だが、日本人の特性や住環境に合わない
米国規格は、
でしたね。
したがって、
“強い風量でガンガン回してナンボ”
という規格理念があり、それがそのまま製品にも表れます。
ブルーエアの製造思想にも通じており、
【ブルーエアの製造思想】
大風量で回すには、大きなファンが必要
↓
大きなファンを搭載するには、大きな筐体が必要
↓
大きなファンの振動に耐えるためには、筐体の頑丈さが重要
↓
したがって、筐体は金属(=スチール)
※主要モデル
との事です。
もっとも理屈は合理的なのですが、これは、日本人や日本の住宅環境にはなかなか受け入れられない思想です。
なぜなら、
まぁ、悪く言えば、日本人もわがまま過ぎますが(笑)
逆に言うと、現に、ブルーエアのカタログ数値を見ても分かるように、
本体の筐体,モーター,ファンの大きさによって、風量も除去率もバラバラ
いかにも米国らしいですよね(笑)
要するに、チマチマとした風量でゆっくり稼働させていても、米国規格を指標としている製品の良さは引き出ません。
スピードと質は相反関係|“スピードも質も高い” はありえない!
【スピードと空気清浄の質はトレードオフ】
これは、車の運転と同じですよね!

また、道幅が広いと飛ばす事ができるように、
スピード(=風量)を求めた空気清浄機の内部は、“空洞だらけ”
です。
下記の写真は、ブルーエア『フラッグシップモデル』の内部写真です。

⸻
驚くほどに、空洞だらけですよね!(笑)
ファンも、換気扇のそれみたいです。
内部がスカスカのため、米国規格でも捕集した微小粒子の密閉率は低い
先の写真を見た通り、内部はスカスカなので、捕集した微小粒子の密閉率は高くありません。
ブルーエアの展示ブースにはこのように書いてありますが、

⸻
これは、
単なる “フィルター性能”
です。
現に、フィルターを本体にセッティングすると、
本体とフィルターとの間の密閉性がない、つまりスカスカのため汚染物質が多く漏れる
という事です。
前章の日本規格の所で説明した理屈と同じです。
それに、
『0.1μm(マイクロメートル)までの有害物質を99.97%』
と書いてありますが、
こういうものは体積比で書くため、この場合、実は、0.1μmはほとんど取れていません。
粒子径が大きい汚染物質から順番に除去率を占めていくので、
ウイルスレベルに相当する0.1μmは、実は、99.97%の中には体積比で言うと、ちょっとしか入っていない
という事です。
逆に言うと、それだけ質は高くないので、強くたくさん回す事が前提で、質(=精度)は、“そのうちある程度高まっていく” 事を期待する規格です。
米国規格でも、単位風量あたりの除去率であり、部屋全体の清浄は考慮せず
米国規格でも、除去率は部屋全体ではありません。
先程も出てきましたが、
【CADRの各項目の最高値を日本仕様に換算すると…】
この600cfmや450cfmを最高値とした時の除去率。
つまり、指標の前提は『風量』です。
ちなみに、米国規格には、
『CADR値に基づく推奨フロア面積』
という指標があります。

【CADR値に基づく推奨フロア面積】
しかし、「この推奨フロア面積以下の部屋で使うといいよ!」というだけで、
この
推奨フロア面積も“風量” から算出した計算値
に止まります。
米国規格の製品の排気は、噴水型が一定数を占める|部屋の中心が理想だが日本では難しい
下記の写真は、ブルーエア『3410』の写真です。

『噴水型』の排気とは、僕の造語ですが、青い矢印の通り、噴水のように上方に風を回す(=排気する)ので、置けるか置けないかは別として、最適なのは部屋の真ん中。
ただし、
日本住宅の限られた床面積や、あるいは、伝統的な家具家電の配置下では、部屋中央付近の動線に置くのはなかなか難しい
ですよね。
結果、部屋の端に追いやられますが、すると、局所的な範囲の清浄に留まってしまいます。
したがって、
“部屋全体の清浄をする事までは、初めから考慮していない構造”
だという事です。
もっとも、それは、
『米国規格を採用しているから』
という理由で説明がつきます。
『cfm』とあったように、
単位風量あたりの清浄率が求められるだけであって、部屋全体の清浄を要請する指標ではない
からです。
このように、『排気方向』を見るだけで、空気清浄機の特性が見えてきます。
米国規格に基づく空気清浄機が最適な場所|パブリックルーム,会議室など
早く回してナンボ、つまり、“質よりも速さ” がウリ
のため、
【米国規格の空気清浄機がマッチする場所】
などが最適です。
不特定多数が出入りする『パブリックルーム』や、あるいは、次の来客のために、“すぐに空気を入れ替えたい”『会議室』等にピッタリ!
逆に、日本人の自宅にはミスマッチです。
「質は多少荒くてもいいから、10分でも15分でも早く回してほしい!」
という人はあまりおらず、
どちらかと言うと、
「10分,15分余分にかかってもいいから、部屋全体をできるだけ質を高く清浄してほしいわ! ずっと部屋に居るのだから!」
という人の方が圧倒的に多く、おそらく、あなたもそうかもしれませんね!
そして、次項は、最後3つ目がダイソンです。
⸻
ダイソン空気清浄機|①フィルター規格の欧州規格(EN1822)+自社規格で【フィルター+本体全体】の密閉性を追及。②空気清浄能力測定の自社規格で【部屋全体+ウイルスレベル】の清浄を実現

同じフィルター規格の欧州規格EN1822に則ったブルーエアとダイソン|だが、両者の空気清浄の質の差は明らか
欧州(EU)が策定するフィルター規格が『EN1822』です。
実は、前章のブルーエアも欧州規格のフィルター規格を採用していますが、除去可能な微粒子サイズはかなりの差があります。
| ブルーエア | ダイソン |
| 『1μm〜0.1μmまでの有害物質を99.97%』 | 『0.1μmの微細な粒子を99.95%』 |
| μm=マイクロメートル 1μm(=PM1)=1mmの1,000分の1 0.1μm(=PM0.1)=1mmの10,000分の1 | |
こういうものは体積比で書くため、
ブルーエアの場合、実は、0.1μmはほとんど取れていません!
粒子径が大きい汚染物質から順番に除去率を占めていくので、
ウイルスレベルに相当する0.1μmは、実は、99.97%の中には体積比で言うと、ちょっとしか入っていない
という事です。
一方、同じ欧州規格に則ったフィルターでも、ダイソンは、
『0.1μmの微細な粒子を99.95%』
なんと、0.1μmのみの微細な粒子を99.95%なので、フィルターレベルだけで見ても質の差は明らかです。
除去率編|自社規格TM-100583で【フィルター+本体】での0.1μmの全体除去率を追求し続けているダイソン空気清浄機
空気清浄機で清浄の質を高める観点では、集じんした微粒子(=汚染物質)を漏らしていては意味がありません。
すなわち、いくらフィルターの除去性能が高くとも、フィルターと本体との間の密閉性がないと、本体内部はもちろん、部屋にも漏れ続ける訳です。
それは、
JIS規格の高性能な集じんフィルターを搭載しているにも関わらず、内部にも室内にも漏らしまくっていた日本の空気清浄機の実態
を見たあなたは納得する事でしょう。(参照:前々章)
前章のブルーエアも、内部は空洞だらけでスカスカでしたね!
これらは、質よりも速さを重視していたからです。
しかし、ダイソンは質重視です。
下記の写真のように、

フィルターの周りに『ゴムパッキン』をつけて、本体とフィルターとの間の密閉性を維持しています。(※例えば、TP03など、フィルターではなく本体側にゴムパッキンがあるモデルもある)
そのため、

⸻
その結果、利用者は日頃の内部清掃が必要なく、フィルター交換だけで済む事に繋がります。
空間全体の清浄能力編|自社規格TM-003711による通称『ポーラーテスト』で均一な清浄を実現

(ワタルブログ作成)
元々、空気清浄業界には、部屋全体の清浄力を検証させる公式の規格がありません。
そんな中、この三階層のうち、一番上のダイソンだけが独自規格を作り、
唯一、部屋全体の清浄力を求める規格
で製品テストを行っています。
ダイソンの独自試験は『部屋全体の均一な清浄』を検証
つまり、“空気清浄機の近くだけがきれい” ではなく、“部屋全体を均一に清浄できているか” を見ています。
僕は、ダイソン空気清浄機の強みの背景はこれ! だと考えています。
言い換えれば、ほとんどのダイソン空気清浄機が、JEM1467で求められる基準よりも遥かに厳しい試験を自社で課している事になるからです。
自社規格TM-003711(通称:ポーラーテスト)
下記は、当規格のイメージ図です。

ポイントは、一言で言えば、
緻密さの追求
です。
テーマ:均一(“いかに、部屋全体を清浄できているか?”)
この一連の検証をクリアした結果が、『60分◯畳』という数字の根拠です。
※ダイソンによれば、実機試験は約17畳の試験空間で行われ、その測定データを基に独自の評価方法で最大適用床面積を算出しています。
“60分での最大適用床面積の畳数そのものの試験室で測定した” という意味ではありません。
しかし、それはダイソンに限った話ではなく、大空間性能は、このような実測データを基に評価・算出する手法が現実的であり、実際の最大適用床面積そのものの試験室を用意する訳ではありません。
重要なのは、その算出根拠をどこまで公開しているかです。
しかし、少なくとも27㎡(約17畳)までは実地で検証しているため、多くの一般家庭のリビングに近い条件での再現性が期待できます。
⸻
ダイソン空気清浄機は、この規格の中で最大限の性能評価を確立しようと技術してきた製品です。
そして、そのための評価基準が『部屋全体+ウイルスレベル』です。
このようにして生み出されたダイソン空気清浄機と、
とで、果たしてどれが最も空気清浄の質が高いか、火を見るより明らかですよね?
先程、日本規格の所で見た動画を、今度は“ダイソン”に着目して見てください
下記の動画をダイソン空気清浄機の凄さが分かりますので、
是非、もう一度見てください。
⸻
いかがでしたか?
ウイルスと同等サイズのPM0.1クラスすらほとんど密閉してしまう前提で技術していますから、
【ダイソン空気清浄機の圧倒的な密閉性】
それよりも粒子径が大きいハウスダスト(例:花粉,ホコリ,カビ)は漏らさない!
つまり、回せば回す程、どんどん部屋がきれいになっていく訳です。
少し前の製品でもこのパフォーマンスですから、必ずしも近年の製品でなくとも、実用性の差はありません!
言い方を変えれば、
どの年式のダイソン空気清浄機を買っても、他の多くの空気清浄機よりも性能(=空気清浄の質)が高い
ため、今のあなたの目的や懐事情に合わせて選べるのも嬉しい点です。
部屋全体の均一な清浄を求めるべく、風を面で回したダイソン
部屋全体の清浄を求めるために、

写真のように風を出していては、部屋の隅々まで排気が循環しないため、部屋全体の清浄ができません。
なぜなら、
【空気清浄機の吸い込み】
風(排気)を行き渡らせ、空気を攪拌させて気流(空気の流れ,動き)を作って循環させながら、本体に戻って来る空気を吸い込む
からです。
そのため、大半のダイソン空気清浄機は、部屋全体の清浄を目的とすべく、排気を面で水平に、“扇風機のように”風を出しているのです。
(※近年は『上方排気型』モデルも販売)

⸻
論より証拠に、下記は、空気の流れのデモ動画です。
⸻
この動画の指摘が優れていると思うのは、
動画下の『サーキュレーターなし』の場合
部屋全体を循環させられなければ、空気清浄機の近辺に空気が溜まり、離れた場所には十分な効果が届かない事が分かる
↓
しかし、これは、“多くの一般的な空気清浄機で見られる現象”
↓
それを目に見える形で顕にしてくれている
↓
逆に言えば、動画上の『サーキュレーターあり』から分かるように、広い範囲を清浄しようとすれば、どんよりと澱んで重たい室内の空気を撹拌させて、動きやすくする事が大事
⸻
幾ら適用床面積が広く表示されていたとしても、部屋全体へ空気が循環しなければ、動画のように空気清浄機の近辺に空気が溜まるだけです。
要するに、動画下の『サーキュレーターなし』のように、
幾ら記載適用畳数が広い製品を使ったとしても、現実には全体をきれいにしているとは程遠い
↓
適用床面積の数値の大小は関係ない
↓
もちろん、メーカーの知名度,購入金額の大小も関係ない
訳です!
それが目に見えていないので、消費者が “きれいになっている”と思い込んでいるだけです!
しかし、実感が伴わないため、

「空気清浄機を使っているけど、正直効いている気がしないんです!」
という利用者からの相談が少なくない訳です。
ちなみに、先の動画に続き、下記は、空気を撹拌・自ら気流を作る事ができるダイソン空気清浄機のスモークテストです。
⸻
空間の真ん中で滞留したスモークが、突如、流れるように吸い込まれていきましたよね?
これが『攪拌』によりもたらされた気流効果です。
しかも、多くのダイソン空気清浄機の場合、本体を起点に水平に部屋全体に気流を作ります。

(エアマルチプライアーテクノロジー)
『エアマルチプライアーテクノロジー』と呼ばれる周りの空気を巻き込みつつ、増幅させながら排気する構造により、サーキュレーターやエアコンなどに頼らずとも、自ら広範囲に気流を作る事ができ、結果、隅々まで清浄ができる訳です。
しかし、それだと抽象的なので、ダイソン空気清浄機は、平たく“扇風機としても使える” と言っているだけです。
この “部屋全体に気流を生み出す風” こそが、空気清浄を成立させるために欠かせない要素です。
⸻
【まとめ】ダイソンが最も高性能な理由|①吸い込んだ微粒子を漏らさない,②部屋全体の均一な清浄が可能

くどいかも知れませんが(笑)、

(ワタルブログ作成)
この図が最も大事です。
規格内で最大限の評価を得るべく技術し、そして、その技術を具現化したものが『製品』
である以上、規格の序列がそのまま製品間の優劣となります。
ただ、
「部屋全体を清浄したいし、せっかく買うなら、質が高い清浄を期待したいわ!」
と思うのが消費者心情でしょう。
すると、
“空気清浄機をひとまず買って見るなら、まずはダイソンでしょ!”
となります。
僕は、ダイソン空気清浄機が優秀だと言うつもりは全くありません。
ダイソン空気清浄機が優れているのは、それだけの空気清浄能力を課した規格を採用し、その下で技術し続けたから
という事であり、結果として、ダイソン空気清浄機が優秀だという事です!
空気清浄機の性能は、単純なスペックだけでは判断できません。
重要なのは、
です。
その違いが、
実際の清浄能力の差に繋がります!
では、具体的にどの空気清浄機を選べばよいのか?
次の記事で詳説しています👇
参考記事
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まとめ記事
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【この記事を書いた人】
ワタル
家電量販店で掃除機・空調家電を担当。
家電製品アドバイザー『エグゼクティブ等級』プラチナグレード保有。
家電量販店での販売歴20年超で今も現役。
(内、ダイソン製品販売経験7年超)
6年に及ぶ空調家電の販売経験を経て、2025年から掃除機も担当。
空調家電で培った『空気の流れ』や『構造理解』の
視点を掃除機に応用し、
✅吸引性能
✅フィルター設計
✅空気の流れ
✅メーカーごとの設計思想
など、
カタログでは分からない掃除機の構造や性能差を、
実際の販売現場の視点から解説しています。
掃除機と空気清浄機は『家電』というより、
空気をコントロールする機械だと考えています。











