導入

「除湿機を買おうと思っているけど、どうやら『除湿能力』という数値を参考にするらしい。だけど、この数字をどう見て選んだらいいんだろう?」
こういった疑問に答えます。
【当記事を読むメリット】
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結論|除湿能力は「比較指標」。実際の除湿量を表した数字ではない

結論から言うと、除湿機の『除湿能力○L/日』や『除湿可能面積』は、実際の家庭環境で得られる除湿量を表した数字ではありません。
一方で、全メーカーが同じ条件で試験を行っているため、機種同士の性能比較には十分活用できます。
つまり、除湿能力から分かるのは、
「どちらの機種が効率よく除湿できるか?」
であり、
“あなたの部屋で1日に何L除湿できるか” ではない
のです。
その理由を順番に解説します。
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除湿能力試験は『統一条件』で実施されている

除湿機のカタログやメーカーサイトに掲載されている『除湿能力○L/日』は、日本電機工業会(JEMA)が定めた統一条件で測定されています。
全メーカーが同じ条件で試験する事で、製品同士を公平に比較できるようにするためです。
ただし、その試験条件は一般家庭の利用環境とは大きく異なります。
代表的な条件は次の3つです。
① 湿度を一定に保っている
通常、部屋で除湿機を使うと相対湿度は徐々に下がっていきます。
すると、時間の経過とともに除湿量も少しずつ減少します。
しかし、除湿能力試験では湿度を一定に保った状態で測定します。
つまり、除湿しやすい条件を24時間維持した状態で測定しているのです。
② 温度を一定に保っている
除湿能力は室温によって大きく変化します。
例えば、コンプレッサー式は室温が高いほど除湿能力が高くなります。
そのため試験では、
という条件で測定されます。
実際の部屋では室温は常に変化しますが、試験では一定に保たれています。
③ 強運転で固定している
除湿能力試験では、強運転で24時間連続運転した場合の除湿量を測定しています。
つまり、いわば “最大パワー時の除湿能力” です。
もちろん、実際には弱運転や自動運転で使うケースも多いため、常にカタログ通りの除湿量が得られる訳ではありません。
このように、除湿能力試験は、
という条件で実施されています。
だからこそ機種同士の比較はできますが、その数字がそのまま自宅で再現される訳ではないのです。
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コンセントから取る交流の電気には2つの周波数がある|除湿能力を見る際は使用エリアに応じた数値を見る
『教えて!かんでん』
除湿機のカタログを見ると、
- 50Hz:16L/日
- 60Hz:18L/日
のように、除湿能力が2つ並んでいる事があります。
これは誤表記ではなく、日本国内で使われている電気の周波数が2種類あるためです。
除湿能力を比較する際は、まず自分の住んでいる地域が50Hzなのか60Hzなのかを確認しましょう。
日本には50Hzと60Hzが存在する
日本の家庭用コンセントから供給される交流電気には、
- 東日本:50Hz
- 西日本:60Hz
の2種類があります。
大まかには、
です。
なぜ、周波数により除湿能力が変わるのか?
コンプレッサー式除湿機は、モーターやコンプレッサーを使って除湿しています。
そのため、周波数によって回転数がわずかに変わり、
一般的には、
60Hzの方が除湿能力が高くなる
傾向があります。
例えば、
のような表記です。
カタログでは60Hzの数字が大きく表示される事がある
メーカーのカタログやECサイトでは、大きい数字だけが目立つように掲載されている事があります。
しかし、
東日本で使用する人は50Hz側の数値を見る
必要があります。
購入前には必ず確認しておきましょう。
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コンプレッサー式の除湿能力とは?

まずは、コンプレッサー式の除湿能力を見る際のポイントを整理します。
【コンプレッサー式の除湿能力のポイント】
では、順番に見ていきましょう。
①室温27℃で固定
コンプレッサー式の除湿能力は、
室温27℃・湿度60%・強運転
という条件で測定されています。
なぜ室温27℃なのかというと、コンプレッサー式は室温が高いほど除湿能力を発揮しやすいからです
下のグラフを見てください。

コンプレッサー式は室温が高くなるほど除湿量が増え、逆に室温が下がるにつれて除湿量も減少していきます。
つまり、
カタログに記載されている除湿能力は、コンプレッサー式が最も能力を発揮しやすい条件で測定された数値
という事です。
もちろん、これは試験としては全く問題ありません。
全メーカーが同じ条件で測定しているため、機種同士の比較もできます。
ただし、例えば、
「18L/日だから、毎日18L除湿できる」という意味ではない
事は理解しておきましょう。
②湿度60%で固定
次に湿度です。
実際の部屋では、除湿機を運転すると湿度は徐々に下がっていきます。
湿度が下がれば、空気中に含まれる水分量も減るため、除湿量も少なくなります。
しかし、除湿能力試験では湿度60%を維持した状態で測定しています。
つまり、
24時間にわたって除湿しやすい環境を維持し続けている
という事です。
そのため、カタログに記載されている除湿能力は、あくまで “一定条件下での最大値” として見る必要があります。
③強運転で固定
更に、除湿能力試験では強運転で測定しています。
つまり、
24時間連続で最大パワー運転した場合の除湿量
です。
しかし実際には、
などを使う人も多いでしょう。
そのため、カタログの除湿能力は、
室温と湿度と風量まで好条件を揃えた上での “最大パワー時の除湿能力”
と考えるのが分かりやすいです。
もちろん、弱運転や自動運転では除湿量も少なくなります。
ただし、製品間の比較には役立つ
ここまで読むと、

「じゃあ、除湿能力なんて意味がないのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、それは違います。
例えば、
の2機種があった場合、全く同じ条件で測定しているため、18L/日の方が除湿効率が高いという事は分かります。
つまり、
除湿能力の数値は、機種同士を比較するための指標としては有効
です。
逆に言えば、それ以上の情報が得られる指標ではありません。
また、
その数字が、“そのまま” 自宅で再現される訳ではない!
この点だけは忘れないようにしてください。
タンク排水が前提なら、基本モデルでも十分なケースが多い
ここまで、“除湿能力の数字は比較には使える” という話をしてきました。
では、
除湿能力が大きいモデルを買う意味はどこにあるのか?
結論から言うと、連続排水を前提に使う人以外は、そこまで神経質になる必要はありません。
一般的な除湿機は、本体内部の排水タンクに水を溜めます。
そして、タンクが満水になると自動停止します。
つまり、
どれだけ除湿能力が高くても、タンクが満タンになった時点で運転は終わり
です。
例)排水タンク容量が約3Lの除湿機があった場合
仮に、除湿能力18L/日の大型モデルを購入しても、タンクが満タンになれば停止
↓
一方、10L/日前後の基本モデルでも、いずれタンクは満タンになる
つまり、タンク排水で使う場合、実際に起きている違いは、
“タンクが満タンになるまでの時間差”
でしかありません。
特に、
という人は、満水になってもそもそも排水できません。
すると、高性能モデルを購入しても、能力を十分に生かせないケースが多いのです。
もちろん、
家にいる時間が長く、タンクが満タンになるたびに排水できる人なら話は別
です。
しかし、一般的な一人暮らしや共働き世帯であれば、除湿能力だけを理由に上位モデルを選ぶ必要性は高くありません。
除湿能力の点では基本モデルで十分ですが、タンク容量はより大きいと良いでしょう。
③連続排水できる環境なら、除湿能力の大きいモデルが活きる

一方で、連続排水できる環境なら話は変わります。
例えば、
といった環境です。
この場合、排水タンクの容量を気にする必要がありません。
タンク排水の場合は、どれだけ除湿能力が高くても、タンクが満タンになれば停止します。
しかし、連続排水なら停止する事なく運転を続けられます。
すると初めて、
除湿能力の差が、そのまま1日の総除湿量の差
として現れるようになります。
例えば、
の2機種があった場合、タンク排水ではどちらも途中で停止する可能性があります。
しかし連続排水なら、18L/日のモデルの方がより多くの湿気を取り除けます。
つまり、除湿能力の大きい上位モデルが本当に力を発揮するのは、
連続排水を前提に長時間運転するケース
です。

僕自身、売場では、まず「連続排水できますか?」を確認します。
なぜなら、連続排水できない人にとっては、除湿能力の差は “タンクが満タンになるまでの時間差” として現れるだけだからです。
逆に、浴室などへ排水できる環境なら、予算の許す範囲で除湿能力の大きいモデルを選んで問題ありません。
止まる事なく運転を続けられるため、その性能を十分に生かせるからです。
だが、連続排水には設置環境の制約がある
ここまで読むと、

「だったら、最初から連続排水すればいいじゃん!」
と思うかもしれません。
しかし、実際にはそう簡単ではありません。
除湿機の連続排水は、ドレンホースによる自然排水が基本です。
そのため、
ホースの途中に上り勾配を作る事はできません!
水は低い場所へしか流れないためです。
例)脱衣所で使い、ドレンホースを浴室へ流す
といった環境なら問題ありません。
特に、
で部屋干ししている人。
しかし、
など、浴室から離れた部屋で使う場合、そもそもドレンホースを排水先まで引けず、連続排水が難しいケースもあります。
つまり、『連続排水できれば除湿能力の大きいモデルが活きる』のは事実ですが、
その前提として、
自宅の間取りで連続排水が成立するか?
を確認する必要があります。
一方、以前売場で、
「ガレージで使うから連続排水したい」
というお客様がいました。
このようなケースなら、ドレンホースをそのまま屋外へ流せるため、連続排水との相性は非常に良いです。
むしろ、こうした環境こそ、除湿能力の大きいモデルを購入する価値があります。
実際には、連続排水できる環境はそれ程多くありません。
そのため、多くの人はタンク排水で使う事になります。
だからこそ、一般家庭では『除湿能力の大きさ』よりも、『方式選びを間違えない事』と『できるだけ排水タンクが大きい事』の方が重要です。
ここまで説明してきたように、
除湿能力や除湿可能面積は、あくまで機種同士の比較指標です。
そして実際の使い勝手は、除湿能力の大小よりも、
によって大きく変わります。
では次に、現在主流となっているコンプレッサー式について見ていきましょう。
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コンプレッサー式の除湿能力のポイント

まずは、コンプレッサー式の除湿能力について押さえておきたいポイントをまとめます。
【コンプレッサー式の除湿能力のポイント】
- 室温27℃・湿度60%・強運転・6畳相当で測定された数値
- 数値が大きいほど除湿効率は高い
- ただし、その数値通りの除湿量が家庭で再現される訳ではない
- タンク排水が前提なら基本モデルでも十分なケースが多い
- 冬でも暖房環境下ならコンプレッサー式で問題ない
では、順番に見ていきましょう。
① 室温27℃・湿度60%・強運転・6畳相当で測定された数値
前半で説明した通り、
コンプレッサー式の除湿能力は、JEMA(日本電機工業会)が定めた試験条件に基づいて測定されています。
具体的には、
という条件です。
つまり、例えば、カタログに記載されている『18L/日』という数値は、
27℃・湿度60%を維持した6畳の試験空間で、24時間強運転を続けた際の除湿量
という事になります。
もちろん、実際の家庭では、湿度も温度も常に変化します。
また、弱運転や自動運転で使うケースも多いため、カタログ通りの除湿量が得られる訳ではありません。
しかし、全メーカーが同じ条件で測定しているため、機種同士の比較には十分活用できます。
例えば、同じコンプレッサー式で
の2機種があった場合、18L/日の方が除湿効率が高い事は分かります。
ただし、ここで分かるのは “どちらが効率的か?”までです。
その数字が、そのまま自宅で再現される訳ではありません。
② 数字が大きいほど除湿効率は高い
除湿能力の数字は、あくまで比較指標です。
そのため、同じコンプレッサー式同士で比較するなら、数値が大きいモデルの方が効率良く除湿できます。
ただし、ここで注意したいのは、
除湿能力が2倍だからといって、実際の除湿量や体感まで2倍になる訳ではない
という事です。
例えば、
では、18L/日の大型モデルを購入したとしても、快適さまで2倍になる訳ではありません。
極端な話、
だったら、B機種の方が早く満水停止する可能性すらあります。
除湿機は、『どれだけ湿気を取り除けるか?』だけでなく、
“どれだけ長く運転を続けられるか?”
も重要です。
更に、除湿機は、空気清浄機のように、まず空気を吸い込まなければ仕事ができません。
吸い込んだ空気だけが内部経路を通って除湿されます。
逆に言えば、
吸い込まれていない空気は除湿されません!
そのため、実際の部屋では、空気の循環状況や設置場所によっても結果は大きく変わります。
ここが、除湿能力だけでは分からない部分です。
しかし、ここで勘違いしてほしくないのは、
“除湿能力が意味のない数字という訳ではない”
という事です。
例えば、
といった用途では、やはり除湿能力が大きいモデルの方が有利です。
実際、同じコンプレッサー式同士で比較した場合、9L/日モデルより18L/日モデルの方が消費電力が上がり、その分、1Wあたりの除湿量が多くなるので、より多くの湿気を処理できます。
そのため、
には差が出ます。
(※洗濯物が乾くまでの時間に関しては、除湿能力もさることながら、それ以上に、除湿された排気がいかに効率よく洗濯物に当たるかが重要です)
ただし、除湿能力は、“除湿能力の数字だけ” で決まる訳ではありません。
そのため、実際の部屋では、カタログ上の除湿能力だけでは説明できない現象が多々生まれます。
例えば、
本体の近くはカラッと乾いているのに、部屋の隅やクローゼット周辺は湿気が残るケース
もあります。
これは除湿能力不足ではなく、空気の循環不足が原因です。
つまり、除湿能力や除湿可能面積は、あくまで機種同士の性能比較には役立ちます。
しかし、実際にどれだけ快適になるかは、
といった要素も大きく関わります。
ここを理解しておくと、
といった思い込みの失敗は避けやすくなるし、自分の使い方に合った機種選定や配置が重要だと分かります。
除湿可能面積は “比例計算” で求められた結果値に過ぎない
除湿可能面積は、好条件下の試験実績数値を基に比例計算で導いた、単なる結果値です。
そのため、除湿能力が大きい機種ほど除湿可能面積も大きくなるという意味では参考になります。
しかし、実際の部屋は計算式通りにはなりません。
例えば、
は、住宅によって千差万別で大きく異なります。
それにも関わらず、除湿可能面積は一定の条件を前提に形式的に算出されています。
つまり、
除湿可能面積は『実際に除湿できる範囲』では一切なく、機種同士の優劣をつけるための数値
です。
更に重要なのは、除湿機選びで困る人の多くは、
といった数字ばかりを見ています。
しかし実際の使い勝手を左右するのは、
です。
例えば、同じ45畳対応でも、
✅4Lタンクがすぐ満水停止する機種
より、
✅連続排水で24時間運転できる機種
の方が快適なケース
もあります。
除湿可能面積は、機種同士の優劣をサッと見るには参考になりますが、
“数字が大きい程、快適になる訳ではない”
この数字ばかりを追いかけていると、除湿機選びの本質を見誤ってしまう!
という点は覚えておきましょう。
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デシカント式の除湿能力のポイント|除湿能力が同じでもコンプレッサー式とデシカント式は同じではない

除湿能力の数字を見る際に、もう一つ覚えておきたい事があります。
それは、
除湿能力が同じでも、除湿方式が違えば使い勝手は大きく変わる
という事です。
例えば、
という2機種があったとします。
この場合、除湿能力の試験条件は統一されているため、“除湿する能力そのもの” は同程度と考えて問題ありません。
しかし、実際の使い勝手は全く同じではありません。
僕が実際に購入するなら、この時点で数字の比較は終わりです。
ここから先は、
“どの方式を選ぶか?”
の話になります。
なぜなら、同じ9L/日でも、コンプレッサー式とデシカント式では、消費電力も発生する熱も向いている環境も、全く違うからです。
“寒いと感じない” 部屋ならコンプレッサー式で十分
コンプレッサー式は、エアコンと同じ冷却除湿を利用します。
そのため、室温が高い夏場程、効率良く除湿できます。
たとえ、真冬であったとしても実際の家庭では、
など、人が長時間過ごす部屋では暖房を使う事がほとんどです。
その結果、冬であっても十分な室温が確保されているため、コンプレッサー式でも問題なく運用できます。
下記のグラフのように、仮に、室温が18℃くらいまで下がっても、そこまで除湿量は落ちていません。

⸻
一方、下記のグラフが、同じく室温18℃の時のデシカント式の除湿量です。

⸻
また、コンプレッサー式は、消費電力も比較的少ないため長時間運転との相性も良好です。

僕は、コンプレッサー式一択で選びます。
なぜなら、同じ除湿量を得るために必要な電力が少なく、1Wあたりの除湿効率が高いからです。
そもそも、
暖房を使わない人が、強く寒気を感じる場所で使う想定なら、“どちらを選ぶ?ではなく”、デシカント式を選ぶのが筋
です。
デシカント式を選ぶという事は、それだけ明確な理由がある場合に限られます。
しかし、それでも、
“デシカント式を人が過ごす夏の部屋でも使おう” などとは間違っても思わない事!
(∵エアコンの効きが非常に悪くなる)
デシカント式を通年で使うとしたら、やはり、“夏でも人がいない部屋やスペース利用” に限られます。
よって、僕は、自分も含め人と居合わせて使うなら、“コンプレッサー式” です。
“はっきりと” 寒いと感じる場所なら、デシカント式の方が “安定”
一方、デシカント式は乾燥剤に湿気を吸着させ、ヒーターで再生する方式です。
そのため、室温の低い冬でも除湿能力が安定しているという特徴があります。
デシカント式の下記のグラフを見ると分かるように、室温が高くなっても除湿量がグッと上がる訳ではないものの、逆に低温下での除湿量低下が緩やかです。

⸻
ただし、ヒーターを使用するため、一般的にはコンプレッサー式より消費電力が大きくなります。
一方、敢えてデシカント式を使う意味が出てくるのは、暖房を使わない低温環境です。
例えば、
などです。
こうした場所では室温が低く、コンプレッサー式は除湿能力が低下しやすくなります。
そのため、内部でヒーターを使うデシカント式のメリットが活きてきます。
目安としては、15℃前後を下回る環境に絞って使うなら、デシカント式を検討する価値があります。
しかし、
デシカント式を通年で使うとしたら、やはり、“夏でも人がいない部屋やスペース利用” に限られる!
(∵ヒーター稼働でファンヒーターをつけている状態)
こうした低温環境下以外で使うなら、コンプレッサー式の方が電気代が少なく、多くの場合、除湿量も多くなります。(1Wあたりの除湿効率が高い)
よって、僕は、自分も含め人と居合わせて使うなら、“コンプレッサー式” です。
デシカント式は『冬最強』ではない
誤解されやすいのですが、そもそも、
デシカント式が、冬に圧倒的な除湿能力を発揮する訳ではない!
という事。
実際には、
コンプレッサー式が、低温になるにつれ徐々に能力を落としていくため、デシカント式が相対的に有利になる
という見方の方が実態に近いです。
つまり、
という違いです。
言い換えれば、デシカント式は『冬に爆発的に強い』のではなく、“冬でも淡々と働く” 方式です。
だから、『冬に強い』という言葉だけを見ると、デシカント式の除湿能力が急激に上がるように感じます。
コンプレッサー式をラインナップに持っていないメーカーでは、この特徴が強調されるマーケティング傾向
があります。
実際には、『デシカント式が急激に強くなる』のではなく、
“コンプレッサー式が低温になるにつれ能力を落とすため、相対的に有利になる”
と理解した方が実態に近いでしょう。
コンプレッサー式が失速していく中で、デシカント式が安定して走り続けている
イメージです。
だが、デシカント式は連続排水に対応していない
一般的なデシカント式除湿機は、ホースによる連続排水には対応していません。
そのため、タンク排水のみとなります。
つまり、
タンクが満水になる
↓
運転停止する
↓
排水後に再開する
という使い方になります。
そのため、24時間連続運転を前提とするよりも、
で、必要な時にサッと使う方が向いています。
長時間運転や連続排水を重視するなら、コンプレッサー式です。
夏の特売でデシカント式を見かけたら要注意
毎年、梅雨〜夏になると、家電量販店のチラシやECサイトの価格順でデシカント式を見かける事があります。
しかし、人が過ごす部屋で使う前提なら注意が必要です。
デシカント式はヒーターを使って除湿するため、除湿と同時に熱風も発生します。
そのため、夏のリビングや寝室で使うと、

「湿気は減ったけどクソ暑くなった」
という状態になりやすいのです。
実際には、除湿機の仕組みを理解している人程、夏場のメイン用途でデシカント式を進んで選ぶケースはほぼありません。
だからこそ、夏の特売で安く見えても、「安いから買う」ではなく、“なぜ、今この方式が安くなっているのか?” を考える事が大切です。
⸻
まとめ|除湿能力は『機種間の比較指標』。選ぶべきは使い方に合った方式

ここまで見てきたように、除湿機の除湿能力(○L/日)や除湿可能面積は、機種同士を比較するための指標です。
そのため、
という事は間違いありません。
しかし、その数字が、そのまま自宅で再現される訳ではありません。
実際の使い勝手は、
などによって大きく変わります。
最後にここまでの僕の持論を図でまとめておきます。

⸻
特に家庭用除湿機では、『どれだけ除湿できるか?』だけでなく、
“どれだけ長く運転を続けられるか?”
も重要です。
そのため、除湿機選びで最も大切なのは、
という3点です。

僕自身、販売現場では除湿能力の数字を聞かれる事が多いですが、実際に満足度を左右するのは、数字そのものよりも “理解に基づいた使い方と方式の相性” だと感じています。
除湿能力は参考にしつつ、ぜひ自分の環境に合った1台を選んでみてください。
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【この記事を書いた人】
ワタル
家電量販店で掃除機・空調家電を担当。
家電製品アドバイザー『エグゼクティブ等級』プラチナグレード保有。
家電量販店での販売経験およそ20年。
(内、ダイソン製品販売経験7年)
6年に及ぶ空調家電の販売経験を経て、2025年から掃除機担当に転身。
空調家電で培った『空気の流れ』や『構造理解』の
視点を掃除機に応用し、
・吸引性能
・フィルター設計
・空気の流れ
・メーカーごとの設計思想
など、
カタログでは分からない掃除機の構造や性能差を、
実際の販売現場の視点から解説しています。
掃除機と空気清浄機は『家電』というより、
空気をコントロールする機械だと考えています。





