ダイソン空気清浄機の電気代を高いと言う人|電気代と製品の勉強を!

ヒーター機能つきダイソン空気清浄機の電気代が不安な人

ヒーター機能つきのダイソン空気清浄機が興味あるんだよなぁ。
だけど、“ダイソンの電気代は高い!”と色んな所で見聞きするから、購入するのが不安だなぁ

こういった疑問に答えます。

当記事を読むメリット
  • 家庭の電気代の基本から分かる
  • ダイソン空気清浄機の電気代に対する誤解が解ける
  • ダイソンヒーター以外の家電製品でも、それ相応の電気代がかかると分かる
  • 昨今の電気代高騰を受け、当記事は、2023年1月9日~2月8日の自身の電気代明細をベースに作成しています。
  • 今後の電気料金単価の変動もあり得ますので、あらかじめご了承ください!
  • ☆電気代の算出の考え方を覚えて頂くと、今後も柔軟に対応できます。
記事の信頼性:僕が書いています!
ワタル
  • 空気清浄機,加湿器,除湿機など空調家電のエキスパート
  • 現在も、空調家電販売の第一線で活躍中
  • “空気” が大好きで、休日でも勉強や追求に余念がない
  • 根が “健康オタク” でもあるため、「空調家電は健康に直結する」と一貫して主張し、衛生的に配慮のない製品には「使う価値がない」と厳しく意義を唱える
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目次

ダイソン空気清浄機の電気代を高いと言う人|電気代と製品の勉強を!

ダイソンヒーター電気代が高いと思い込んでいる人

ダイソン空気清浄機のヒーター機能の電気代はバカ高い!」

と、SNS上はもちろん、店頭でも頻繁に言われています。

それだけ、皆さん、ダイソン製品に関心を持っているのでしょう。

しかし、長年の家電経験を持つ僕から言わせてもらうと、

「ダイソン製品だけが電気代が高いなんて、ありえない!」

という事です。

信用が置ける身近な家族や友人、あるいは、影響力のあるSNS発信者の情報を何も考えずそのまま信じてしまう気持ちは分かります。

しかし、その彼らたちが、

  • 電気代の仕組みを理解しているのか?
  • ダイソン製品の特徴を理解した上で適切に利用した上での発言なのか?
  • 他ジャンルの家電製品の電気代がどれだけかかるのか?も理解した上での発言なのか?

というと、僕は全てNO!だと思います。

逆に、これらのどれかでも欠けていると、そうした感情的な発言になるのも無理はありません。

しかし、今回の記事で解説していく理解が備われば、

当記事を最後まで読了した上での感想

そっか、他の家電製品も、使い方によってはダイソン空気清浄機のヒーター機能と同じくらい電気代がかかるんだな!
その中でも、自分が電気代を抑えていくためには、〇〇を意識すればいいんだな
!」

というように俯瞰的にモノを見ることができます。

なお、「〇〇」に関しては記事を一読してもらうと分かります。

電気代の理解は生涯に渡って関わるものなので、ここでしっかりと理解してしまいましょう。

『電気代』の基本を解説|感覚で、“ダイソン空気清浄機の電気代は高い”と言う前に仕組みを知ろう

あなたは、電気代を算出する公式を知っていますか?

電気代を気にするなら、まずこれを知らないと話になりません。

1時間あたりの消費電力(W)÷1,000×稼働時間(時間)×料金単価(円/kWh)」

です。

式を見ると、

電気代を構成する3要素
  • 消費電力(W÷1,000)
  • 稼働時間(時間)
  • 料金単価(円/kWh)

が出てきます。

では、これらが何を意味するのか、3要素を個別に見ていきます。

要素1)消費電力|電化製品を使用する際の実際の電力消費量

電気代を構成する1つ目の要素は、消費電力です。

1時間あたりの消費電力(W)÷1,000×稼働時間(時間)×料金単価(円/kWh)」

「消費電力」とは、電化製品を動かすのに必要な電力(パワー)の指標。

  • “どれだけ電気を消費するか?”
  • “どれだけ電気を食うか?”

と、世間的にはマイナスの印象で取られがちなのが消費電力です。

しかし、消費電力はパワー(エネルギー)なので、ヒーターを例にして言うならば、

【ファンヒーター2機種を比較した時の消費電力の高低と温かさの関係】
【メリット】【デメリット】
【消費電力が高い】温まるまでが早い
温まり方が強い
◎つまり、性能としての満足度が高い
消費電力が低い方の製品と比べる限りでは「電気代は高い」
【消費電力が低い】消費電力が高い方の製品と比べる限りでは「電気代は安い」温まるまでが遅い
温まり方が弱い(=不十分)

◎つまり、性能としての満足度が低い

という事です。

なお、『高い,低い』は相対的なので、また違う製品と比較すると事情が異なります

さて、ここで大事な事を言いますが、

温かさの恩恵と消費電力は、トレードオフ
(=両立できない関係性)
    ↓
すなわち、速暖と温まりの満足度を高めたければ、自ずと選択するファンヒーターの消費電力も高いものとなる

言い換えれば、

二兎を追うわがままな消費者

速暖と満足する温まりを得たいけど、消費電力は低いものがいい

といったワガママは通用しません。

満足する恩恵を受けたのに、負担はしたくない(=渋る)”というのはありえません。

【参考】消費電力と定格消費電力の違い

製品や機種によっては、消費電力の記載があるものもあれば、定格消費電力の記載があるものもあります。

『定格消費電力』とは「指定された条件下で、機器類が安全に達成できる最大の出力電力」を言います。


つまり、

『消費電力』
→その製品で、実際今使っている電力消費量
『定格消費電力』
→その製品の最大電力消費量

の違いがあります。

なお、ダイソン空気清浄機のヒーター機能の消費電力は、一律で可変幅はありません。

つまり、

ダイソン空気清浄機のヒーター機能の消費電力
  • 1,400Wの製品
  • 1,200Wの製品

というように、1,400W消費するモデルと1,200W消費する製品があります。

ヒーターモードで、どの風量設定や温度設定にしていたとしても、消費電力は変わりません!

電気代を算出する時は、W→kWに変換する

kWh(キロワットアワー)

という単位を使います。

『1kWh』は、

1キロワット(=1,000W)の電力を、1時間( = hour:アワー)消費した場合の消費電力量。

1kWh=1,000Wは、1km=1,000mと同じ理屈の単位変換ですね!

なぜなら、電気代明細の使用量は『kWh』で記載されるため

自身の電気明細
(2023年1月9日〜2月8日)

上記の表は、僕の電気明細です。
(2023年1月9日〜2月8日)

ご覧の通り、

電気ご使用量→212kWh

と、使用電力量が『kWh』で記載されています。

しかし、空気清浄機を始め、ほとんどの家電製品カタログでは、消費電力はW数で記載

ダイソン空気清浄機/製品カタログ

上記は、ダイソン空気清浄機(=現行モデル)のカタログの製品一覧表です。

小さくて見づらいかもしれませんが、赤線箇所が消費電力で、W数で記載されています。

ヒーター機能付き空気清浄機の『HP07』では、

最小/最大消費電力(W)
涼風モード6/40

温風モード1,400

と記載されています。

涼風モードは可変幅がありますが、温風モードは先ほど説明したように、一律の消費電力です。

さて、単位が製品情報と電気代計算の公式とで食い違っているので、変換する訳です。

変換は簡単で、W数を1,000で割る

だけです。

要素2)使用時間|電気代は稼働時間に比例

電気代を構成する2つ目の要素は、稼働時間です。

「1時間あたりの消費電力(W)÷1,000×稼働時間(時間)×料金単価(円/kWh)」

先程のこの公式で、電気代は稼働時間が掛け算されています。

稼働時間が長くなるという事は、その分たくさんの恩恵を受けたので、その分は当然負担します。

ネットカフェやコワーキングスペースでも、従量制で長時間利用すればその分、代金を支払いますよね
電気代も同じです。

ここで、消費電力と稼働時間の関係をグラフで見てみましょう。

縦軸に消費電力、横軸に稼働時間を取っています。

消費電力と稼働時間の関係で見えてくる電気代

この4ブロックのうち、注意すべきは『左上と右下』の2ブロックです。(他の2ブロックは当たり前!)

左上:『消費電力:高い、稼働時間:短い』
右下:『消費電力:低い、稼働時間:長い』

これも、1つずつ見ていきます。

1)『消費電力:高い,稼働時間:短い』の場合

ダイソン空気清浄機のヒーター機能で言うと、

ダイソン空気清浄機のヒーター機能の消費電力
  • 1,400Wの製品
  • 1,200Wの製品

というように、1,400W消費するモデルと1,200W消費するモデルがあると、先ほど説明しました。

1,400Wモデルを例に挙げると、同じ1,400Wを消費する場合でも、例えば、6時間稼働させた場合と2時間稼働させた場合とでは、

【1,400W消費するモデルを6時間と2時間使う場合】
1,400Wを6時間稼働させた場合1,400W÷1,000×6
=8.4
1,400Wを2時間稼働させた場合1,400W÷1,000×2
=2.8

当然、使用電気量3倍(∵8.4÷2.8)の差が出ます。

この数値は電気代の元となる数値です。
(この数値に、料金単価(円/kWh)を掛ければ電気代が出ますが、それは後ほど解説)

つまり、

同じ消費電力を使用した場合でも、電気代は稼働時間に大きく比例する

という事です。

多くの場合、電気代が高いと喚く人は、ダラダラとつけて稼働時間を長くしてしまっているのが実情です。

2)『消費電力:低い,稼働時間:長い』の場合

今度は、下記の条件で比較してみます。

【1,400W消費するモデルと600W消費するモデルとの比較】
1,400Wのダイソンを3時間稼働させた場合1,400W÷1,000×3
=4.2
600Wのヒーターを12時間稼働させた場合600W÷1,000×12
=7.2

いかがですが?

いくら、消費電力が1,400Wに対して、約43%(∵600÷1,400)も小さい600Wのヒーターを使ったとしても、

W数が低かろうと、“ダラダラと”長時間稼働させていれば、その場合、目的を持って本当に必要な時間だけ稼働させた1,400Wよりも余計に電気代がかかります!

こうして見ると、電気代にとって曲者(くせもの)となるのは、むしろ『稼働時間』だと言えます。

無意味にダラダラとつけるのではなく、目的を持って必要な時に絞り稼働させるのが大事です。

要素3)料金単価(円/kWh)|世帯ごとに異なる料金単価になっている

電気代を構成する最後3つ目の要素は、料金単価(円/kWh)です。

「1時間あたりの消費電力(W)÷1,000×稼働時間(時間)×料金単価(円/kWh)

まず、料金単価の後ろのカッコ( )部分ですが、

(円/kWh)は、『1kWhあたり◯円

という意味です。

しかし、ここで非常に重要な注意点があります。

それは、

世帯によって契約しているアンペア(A)も違えば、契約している電気料金プランも違う
    ↓
1kWhあたりの電力量料金は世帯ごとに異なる!!
    
なぜ違うかと言えば、家族構成によって電気使用量が大きく異なるから

という事です。

家族構成は、世帯ごとに違う!

また、

近年では『電力自由化』で、電力会社や料金プランを自由に選択できるようになっているため、ますます、料金単価(円/kWh)の多様化が起こっています。

ちなみに、下記は僕の電気料金明細書です。

自身の電気明細
(2023年1月9日〜2月8日)

つまり、僕の料金単価は、全部ひっくるめて計算すると、37.2円/kWh(税込)という事です。

内訳は、下記の通りであり、

電気代の内訳
  • 基本料金
    0円
  • 電力量料金
    6,105円60銭
  • 燃料費調整額
    1,280円48銭
  • 再エネ発電促進賦課金
    731円
  • 控除(ガスセット割)
    213円70銭

これを計算すると、7,903円。

それを『使用電力量|212kWh』で割ると、

37.2円/kWh

です。

補足|電気代の構造
(自身の2023年1月9日〜2月8日の電気明細より)

その①〜④を全部ひっくるめて、僕の場合はガスもセット申し込みなので、その下の『ガスセット割』まで計算し、

その総額を『電気後使用量』(212kWh)で割ると、37.2円/kWh(税込)という事でした。

電気代の内訳
  • 基本料金
    0円
  • 電力量料金
    6,105円60銭
  • 燃料費調整額
    1,280円48銭
  • 再エネ発電促進賦課金
    731円
  • 控除(ガスセット割)
    213円70銭


    『電気後使用量』(212kWh)

要するに、

7,903円(①〜⑤)÷212=37.2

形式的に『電気量料金』という場合、

基本料金電
→定額部分
電力量料金
→従量部分

を指すのですが、

近年の電気代高騰下でもここの金額はほとんど値上がっていません。

その代わりに、

燃料費調整額
再エネ発電促進賦課金

がどんどん値上げされています。

この③と④は厳密には電力量料金ではありませんが、使用者の立場からすると

これらも含めて電気代として払うので、見せかけだけ安く見せるのではなく、トータルとしての実態を見ておくのが筋だと思います。

さて、話を戻しますが、

この料金単価は僕の場合ですが、

自分の場合
  • 家族構成
    →独身(配偶者や子どもがいると高くなる)
  • 電力会社
    CDエナジーダイレクト
    (電力会社,料金プランで料金単価が異なる)
  • 契約アンペア
    →60A(どのアンペアでも基本料金0円)
    ※基本料金がある電力会社もある

あなたとは、家族構成も使用量も、ましてや、契約している電力会社や料金プランも違うでしょうから、自分の料金単価を確認しておく事をおすすめします。

トピック

昨今の電気料金の値上がりが起きている主な要因は、下記の3つ。
燃料価格の高騰
国内の電力供給不足
再エネ発電促進賦課金の単価上昇

今後も、電気代が変動する可能性があるため、固定でいくらと決めつけず、都度、その時の情勢に応じて、自分で計算ができるようになっておきたいものです。

3つの要素を用いて、電気代を計算してみよう

これまでで、

「1時間あたりの消費電力(W)÷1,000×稼働時間(時間)×料金単価(円/kWh)」

を、要素別に順番に見てきました。

全ての要素が出揃ったので、実際に計算してみましょう。

ここでの料金単価は僕の37.2円/kWh(税込)を用いて計算して見ます。

例)ダイソン空気清浄機/HP07をヒーターモードで稼働させた場合
【要素】【W数】
1,400W
【料金単価】
37.2円/kWh
(税込)
【稼働時間】
1時間稼働させた場合:52.0円(税込)
(1,400÷1,000×1×37.2)
3時間稼働させた場合:156.2円(税込)
(1,400÷1,000×3×37.2)
8時間稼働させた場合:416.6円(税込)
(1,400÷1,000×8×37.2)

いかがですか?

コツさえ分かれば、単なる算数ですよね!

ダイソンヒーターだけ電気代が高いとかありえない|他の家電製品を見渡そう

電気代が高い,安いを大きく左右するもののうち、

『消費電力』は、実は、『ダイソン空気清浄機のヒーター機能』以外の家電製品でも同じくらい消費するのを知っていますか?

ここで、ダイソン以外に視野を広げてもらうために、生活家電の中でも代表的な製品の消費電力を紹介します。

主な家電製品の消費電力

①掃除機(クリーナー)

パナソニック掃除機/製品カタログ

キャニスター(=コード有)掃除機の中でも、特に紙パック式では、最大消費電力が1,000Wを超えるものが大半を占めます。

パワフルな吸引力をもたらすためにはそれだけ馬力が必要で、その源泉が消費電力です。

仮に、微々たる消費電力しか用いなければ、カーペットの掃除などできません!

②マルチダイナミックヒーター,オイルヒーター

デロンギ/製品カタログ
ダイソンのヒーター電気代は高いと言う人

ダイソン空気清浄機のヒーター機能の電気代はバカ高い!」

という人は、デロンギマルチダイナミックヒーター,オイルヒーターを知っていますか?

電力切替(=出力の切り替え)こそできますが、

軒並み最大消費電力は1,500W

です。

オイルヒーターは、デロンギだけでなく色んなメーカーが出していますが、オイルヒーターの事を知っているだけでも、

「ダイソン空気清浄機のヒーター機能の電気代はバカ高い!」いった認識や発言にはならないはず!
   
なぜなら、他も全部同程度だから

となりますよね。

③ドラム式洗濯機

パナソニック洗濯機/製品カタログ

シミや泥汚れもパワフルに落とし、乾燥までしてくれるドラム式洗濯機も、洗濯乾燥時の最大消費電力は1,000W近く必要とします。

仮に、微々たる消費電力しか用いなければ、シミや泥汚れも落とせないばかりか、いつまで経っても乾燥が終わりません!

④ヘアードライヤー

パナソニックドライヤー/製品カタログ

『消費電力=1,200W』の代名詞といえば、まずヘアードライヤーが思い浮かぶ人も多いでしょう。

髪を乾かすには当然、熱が必要です。

そして、熱は消費電力が高くないと発生させられません。

仮に、微々たる消費電力しか用いなければ、ぬるい風になり、いつまで経っても髪を乾かしきる事ができません!

⑤レンジ,オーブン,グリル

シャープオーブンレンジ/製品カタログ

近年は、時短調理がトレンドでレンジを買い替えた人も多いでしょう。

レンジ,オーブン,グリルの消費電力は、最大1,400W前後。

外をカリッと、中をフワッと仕上げるのも高い消費電力があってこそ。

仮に、微々たる消費電力しか用いなければ、そのような仕上がりにはならないし、美味しくないし、過大に調理時間を要し、全く時短調理と呼べないポンコツです!

いかがでしたか?

ダイソン空気清浄機のヒーター機能の消費電力は『1,400Wモデルと1,200Wモデル』がありますが、

他の生活家電を見渡すと、

これは、何もダイソンのヒーターモードだけが高い消費電力である訳ではない、という事が俯瞰できた

のではないか、と思います。

では、ここまでで電気代の基本が分かったので、次のページでは、ダイソン空気清浄機のヒーター機能利用時に注意しておくべき特徴を解説します。

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