「寝室は6畳くらいで、狭くあまり置く場所がないから、できるだけコンパクトな加湿空気清浄機がいいなぁ!
あと、うるさいと寝られないから、できるだけ音が静かなものがいいなぁ。
それに、冬とか起きると、すごく口が乾っからなんだよな。どの製品ががおすすめなんだろう?」
こういった疑問に答えます。
- 基本的に、寝室には加湿空気清浄機が向かない事とその3つの理由が分かる
- しかし、それでも寝室で機能させる条件を理解すれば一定の効果がある事が分かる
- 空気清浄機,加湿器,除湿機など空調家電のエキスパート
- 現在も、空調家電販売の第一線で活躍中
- “空気” が大好きで、休日でも勉強や追求に余念がない
- 根が “健康オタク” でもあるため、「空調家電は健康に直結する」と一貫して主張し、衛生的に配慮のない製品には「使う価値がない」と厳しく意義を唱える
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【3つの理由】寝室は加湿空気清浄機はおすすめしない|この3つの理由のいずれか、人や環境によっては3つ全てが原因でほとんど加湿されない
まず、結論から!
- 室温
- 風量
- 音
では、1つずつ説明していきます。
理由①)就寝時に暖房をつける人は少ない|『気化式加湿器』の加湿効率は室温に最も影響され、室温が低いとほとんど機能すらしない
気化式加湿器に最も必要な要素は『室温』
空気清浄機と加湿器が一緒になった加湿空気清浄機の加湿方式は『気化式』と言います。
例えるならば、
部屋干しの洗濯物に、扇風機やサーキュレーターの風を当てて水分の蒸発を促す様を電化製品化したイメージ
です。
気化式加湿器の場合、加湿フィルターをこの濡れた洗濯物に見立てて、そこに取り込んだ風を当て、液体の水を気化(≒蒸発)させる方式です。
左(=室内)から取り込まれた空気が濡れた加湿フィルターにぶつけられていますよね。
乾いた空気が、加湿フィルターを通って潤いのある空気に変わる訳です。
さて、気化式のイメージができた所で考えてみてほしいのですが、
部屋干しをする際、真冬など室温が低いと、丸一日干していても洗濯物がなかなか乾かない!(逆に、夏は比較的すぐに乾く!)
のは想像できると思います。
これと同様に、
気化式が効率よく加湿するためには、『室温』が高い事が重要です。
具体的に言うと、
最低でも20℃以上
です。
しかし、日頃の生活シーンを振り返ってみてもらうと分かりますが、真冬ともなると、
起きている時にエアコンをつけて設定温度を20℃以上にしていても、現実には、20℃になかなか達しないケース
は多々経験がありませんか?
起きて暖房をつけている時でさえ、そんな状況(室温20℃以下)がありうる訳です。
ましてや、
就寝時は乾燥を防ぐ目的や睡眠効率も考えて、暖房をつけないという方も多い
でしょうし、あなたもそうかもしれません。
現に、
【そもそも…】
速やかな入眠と快眠を考える場合、冬だからといって暖房を入れて眠ろうとする事は賢くありません!
寝室の室温を低くしておく事で、肺が冷え深部体温が下がり、結果、入眠しやすくなるのです。
逆に言えば、肺が温まったままだと寝つきが悪くなります!
すると、ますます、
『就寝時の室温=最低20℃以上』に保つというのが難しくなります!
結果、就寝時の気化式では加湿がほとんどされない、という結果になります。
気化式では、この室温条件が最も大事!
ここがクリアできないと、加湿空気清浄機を持て余すだけです。
しかも、
『20℃以上』は最低条件
↓
“20℃あれば良い”という話でも全くありません!
20℃では、効率性とは程遠い話。
効率性を期待するなら、せめて24〜25℃くらいはないといけません。
なぜ、そもそも、気化式加湿器に室温が必要なのか?|中学の理科から紐解く
あなたは、打ち水は知っていますか?
夏に、熱い地面等に水を撒くと涼しく感じるアレです。
なぜ、打ち水で涼しく感じるかと言うと、
撒いた水が気化する時に、地面付近の熱を吸収して蒸発するから。
気化の際に利用される熱を
と言います。
では、そもそも『気化』とは?
下記の図を見てください。
気化
→物質(※加湿器では『水』)が液体から気体に変わる現象
①蒸発|気化式,気化式ハイブリッド
②沸騰|スチーム式
③昇華|加湿器では関係なし
(例:ドライアイス|固体→気体になる)
☆気化は、①〜③までを含めた、物質が気体化する現象の総称
です。
そして、先程の図を見ると分かるように、
液体である水が『気化』して気体になるには熱が必要!
(=気化式の場合、厳密には『蒸発』と言う)
です。
つまり、気化(≒蒸発)にとって、『熱』は材料そのものです。
加湿空気清浄機の加湿方式は、ほぼ全て気化式です。
(※一部、アイリスオーヤマがスチーム式)
しかし、
気化式加湿器は、気化(=蒸発)に必要な『熱』を、本体が生む構造をしていません!
したがって、図に書いたように、気化式加湿器は、
- 打ち水
- 冷風扇
(※加湿空気清浄機の原理は、夏に販売されている「冷風扇」と全く同じ)
と同じ原理になるわけです。
そのため、排気の温度は『室温−2℃』程度の温度ですが、
人によっては、あるいは、置き場所によっては、より肌寒さを感じる
事があります。
起きている時なら、暖房を強めるなど室内の熱量が下がらないように調整が可能でしょうが、そもそも就寝時は暖房をつけない事の方が多いため、
- 寝室では暖房をつけないので、水を蒸発させ続けるだけの熱量が部屋に足りない
→水分が蒸発しない、つまり加湿されない - 仮に加湿が働いたとしても、蒸発の度にどんどん部屋の熱量は少なくなっていく
→肌寒くて不快になる
言い換えれば、
最低でも20℃すら保てない部屋や環境では、水を気化させるための材料(=熱)が足りないため、どうしようもない!
という事です。
なお、この室温20℃以上というのは、
『室温20℃以上・湿度30%以下』
という
一般社団法人・日本電機工業会の加湿器規格『JEM1426』
から来ています。
(市販の加湿器は、当条件で試験)
ここで注意が必要なのは、
湿度は30%に至るまでが最も効率的ですが、室温は20℃以上で、これより暖かい分にはどれだけ暖かくてもいい
という意味です。
逆に、20℃以下はダメという事です。
つまり、気化式加湿器で効率的に加湿し続けようと考えた時、常時、蒸発させるための気化熱で熱を持っていかれる事を前提に入れて、少しでも室温を高くし続ける事が重要です。
しかし、寝室ではそれは難しいです。
理由②)就寝時に強風を許容できる人はいない|『気化式加湿器』の加湿効率は風量に比例し、微々たる風量では蒸発が促されない
まず、ここは、先程の『理由①:室温が高い事』がクリアできていることが前提です。
『理由②』もイメージしやすいと思いますが、
濡れた洗濯物に、弱い風を当てるよりも強い風を当て続けた方が乾きが早いように、
- 濡れた加湿フィルターにちょろちょろしか風を当てない
→蒸発が促進されず、大した加湿効率が期待できない - 濡れた加湿フィルターに強く風を当てる
→蒸発が促進され、効率よく加湿される
これも室温設定に続き、気化式の原理です。
設定風量(=本体に取り込む空気量)と、期待される加湿効率は相関関係
にあります。
当然、就寝時もしっかり加湿したいのがヤマヤマでしょうが、そもそも、就寝時は、しっかり加湿したくても、風量を強めようとはしません。
なぜなら、室内を風が大きく強く回ると、
「風が邪魔」
「うっとうしい」
「風が冷たくて寒い」
「眠れない」
と思うからです。
風量を上げると、状況によっては、風が邪魔だったりうっとうしいという気持ちは分かりますよね?
当然、起きている時のリビングで許容できる風量と、就寝時に許容できる風量は違います。
いくらなんでも、
扇風機を強運転にし続けて寝る人は、あまりいませんよね!
なお、「風が冷たくて寒い」というのは、先ほど説明した『気化熱』の話で、熱とこの風量の絡みで言うと、
風量に比例して気化が促されるため、その分、効率的に加湿される
↓
だが、その代償に、一段と室内の熱量が早く減るため、室温の減少に体がついていかなくなる可能性がある
という事です。
理屈を分かっていないと、なかなか風量を強めようとはしません。
かと言って、理屈が分かっていた所で、不快感を避けるために、やはり風量を落としてしまうのがオチ。
結果、風量を落とすと、微々たる加湿しかされません。
そうなると、実質、“気化がままならない『弱送風』が出ているだけ”という事になってしまいます。
理由③)ほとんど全ての人が就寝時はうるさいのを嫌がる|運転能力と動作音は相関関係にあるが、就寝時は風量を強めようとしない
先ほどの『理由②』では、
そもそも風が邪魔だったり、あるいは、風が冷たくて不快という理由で風量を強められないという話
でしたが、
今回の【理由③】は音の側面から見た風の煩わしさです。
なぜなら、
単純にうるさいと眠れないから!
しかし、本来は、風量,すなわち加湿効率と本体の動作音は相関関係にあるので、
- 風量を上げる
・加湿効率が期待できる
・だが、その分、動作音も大きくなる上、風の煩わしさも出てくる - 風量を下げる
・音が静か、かつ、風の煩わしさもないため、睡眠を妨げない
・だが、当然、その分、加湿効率が落ちる
という話です。
もう、これは道理なので仕方ありません!
しかし、道理である以上、使う前にきちんと理解しておかないといけません。
ましてや、就寝時は日中よりも静寂なので、同じ風量でも、日中よりも、動作音が大きく感じやすくなります。
【まとめ】寝室で加湿空気清浄機をおすすめしない3つ理由を踏まえて乗り越えていく場合|寝室でも一定の効果が期待できる
ここまで、“寝室では加湿空気清浄機が向かない理由”を解説してきました。
それだけ、
気化式加湿器をちゃんと機能させるには、室温や風量など、あらかじめ考慮しておくべき『環境や設定状況』の影響をモロに受ける
という事です。
しかしそれでも、
「寝室は狭いから、一体型を置きたいね!」
と言う人たちがたくさんいる事は、誰よりも分かっています。
そのため、当記事もポジティブに締めくくるべく、最後に、寝室で加湿空気清浄機を活かすために考えるべき3点を示しておきます。
ポイントは、これまでの逆の発想を行く事です!
- 室温|最低20℃以上を保つ
→暖かかれば暖かい程よし!
(室温20℃を下回ると、ほとんど機能しない)
※だが、暖か過ぎると睡眠効率が逆に下がる - 風量|風量と加湿量・効率は相関関係
→できる限り、風量の許容レベルを高める - 音|加湿量・効率と運転音は相関関係
→加湿量・加湿効率を高めようとすれば、ある程度、本体の動作音は致し方ない
気化式加湿器は、室内環境の影響を非常に受ける方式
だと理解しておきましょう。
部屋干しの渇き具合も、室内環境により変わりますよね!
という事です。
以上の3点を理解したあなたなら、寝室でも加湿空気清浄機をある程度上手く使えると思っています。
しかし、それでも、リビングで起きている時の加湿効率よりは落ちると理解しておかねばなりません。
寝室に加湿空気清浄機を置くなら、絶対にダイソン加湿空気清浄機PHシリーズにしよう
ここまで読んできたあなたは、
「寝室での加湿空気清浄機の心得がよく分かったけど、じゃあ、どこの加湿空気清浄機を選んだらいいの?」
と、当然思っているでしょう!
加湿空気清浄機を選ぶなら、間違いなくダイソン!
その理由を根本的に理解してもらいたく、別記事で詳しく解説しました!
当記事からのステップアップとしては、
まず、今より空気をきれいにしたければ、日本の加湿空気清浄機は買うな!を読むと、
なぜ、ダイソン加湿空気清浄機だけがオススメなのか?
がよく分かります。
そして、その後、具体的に選ぶべき加湿空気清浄機を知りたくなったら、
【注意】部屋をきれいにできる加湿空気清浄機はダイソンだけですよ!に進んでもらうとスマートです。
本日は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。