
「加湿器を選ぶ時、リビングは15畳だから“17畳用”、寝室は8畳だから“8畳用”でいいかな…と、いつも適用床面積だけを見て選んでいます。
でも、そのわりに部屋がちゃんと潤った実感がありません。
本当にこの選び方で合っているのでしょうか?」

加湿器売り場に立っていると、「リビング15畳だから“17畳用”で大丈夫ですよね?」という相談を本当によく受けます。
でも、適用床面積だけで選ぶと“ちゃんと加湿されない残念パターン”になりがちなんです。
この記事では、販売員の目線で『数字のどこを見れば失敗しないか』をかみ砕いて解説しました。
これを読んでから選べば、今年こそ“ちゃんと潤う”加湿器に出会えるはずです。
当記事を読むメリット
✔加湿器の適用床面積の誤解が解ける
✔加湿器を選ぶ・買う際に失敗しなくなる
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“失敗しない”加湿器の選び方|適用床面積ばかり見ている方は要注意

結論から言うと、
加湿器の適用床面積は、加湿できる部屋の畳数や平米数(㎡)ではありません!
したがって、
いくら、カタログや商品情報に書いてある適用床面積が、あなたの部屋の畳数(=平米数)に足りていたとしても、部屋全体が加湿される事はありません!(スチーム式を除く)
世の中のネットやテレビなどの情報はもちろん、家電量販店などにいる店員も、
『適用床面積=加湿が可能な部屋の広さ』
と説明していますが、これを鵜呑みにすると本質を見誤ります。
加湿器は、今回だけではなく数年単位で買い替えていくものなので、ここでちゃんとした理解をしておくと、今後、いい加減な情報や説明に騙されないで済みます。
では、解説していきます。
加湿器に記載がある適用床面積の定義とは?
日本電機工業会
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これは、一般社団法人・日本電機工業会(以下:日本電機工業会)が『JEM1426』という規格で定めている、いわば、“加湿の公式”みたいなものです。
各メーカーは、『JEM1426』のルールに則り、カタログや商品情報に数字を記載しています。
一般社団法人 日本電機工業会規格「JEM1426」(※1)で定められた、室温20℃、湿度30%時に、1時間あたりで放出できる水分量=(例:500ml/h)をもとに適用床面積(目安)は決められています。
一般社団法人 日本電機工業会
なお、適用床面積は建物のタイプなどによって異なります。
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なお、
『室温20℃・湿度30%時』は、全ての加湿方式共通で足並みを揃えるための条件
です。
加湿器は多くの方式があるため、

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全ての加湿器が最低限機能するために、足並みを揃えてテストしているという事です。
(全ての加湿方式とも前提条件は同じ!)
1時間あたりに放出できる水分量の多寡で、加湿器に序列をつけているだけ
放出できる水分量、言い換えれば、1時間にどれだけ水をタンク内から減らす事ができるか、の減少量
です。
【加湿器の適用床面積の根拠】
◎放出される水分量(=タンクからの水の減少量)
✔放出される水分量(=減少量)が多い
→適用床面積が広い
✔放出される水分量(=減少量)が少ない
→適用床面積が狭い
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例えば、一般的な感覚だと、
「8畳の部屋が均一に潤うから、8畳用なんだな!」
と思うと思いますが、
そんな決め方はしていませんし、そんな緻密なテストはしていません。
先のように、
日本電機工業会が導いた水分量の多寡に応じて、
“形式的に”畳数を割り振ったにすぎないのが適用床面積!
という事です。
たとえ、記載の適用床面積をアテにしてもその部屋全体は加湿されない
なぜなら、ほとんど全ての加湿器は、水分や潤いのある風(超音波式:水滴,気化式:潤いのある風,スチーム式:水蒸気)を本体の真上に出しますが、
スチーム式を除けば、それだけでは部屋全体に行き渡りません。
それどころか、『超音波式』だと水滴を本体周辺にばら撒いているだけで、その水滴たちのほとんどは蒸発できず、設置場周りの床などに沈没しているだけ!
大半の加湿器では、せいぜい加湿されるのはその周りだけ!
(スチーム式を除く)
例えば、

「でも、適用床面積17畳(プレハブ/洋室)と書いてあるじゃん!」
と思ったとしても、

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それは、
1時間に最大600mlの水を室内に放出(=減少)できると『17畳』と書いていい
となっているだけの事!
無責任な話で、湿度が上がるかどうかは関係なく、どれだけ本体の外に水が放出できるか!
いくら水が放出されようと、湿度が効率よく上がるかは別問題です。
[なかなか広い範囲の湿度を上げられない理由]
超音波式
✔放出される水の多くが蒸発せず沈没し、棚や床等に水撒きをしているだけ
✔沈没に加え、多少の蒸発こそできたとしてもエアコン暖房の乾燥に負けてしまう
→気化式
✔室温と風量設定が不十分で効率的に加湿条件が整えられていない
✔加湿フィルターの清掃が不十分(=カルキでガビガビ)で機能していない
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結局、適用床面積の大きい加湿器を買ったところで、本体周辺が“ちょこっと”潤うだけ。
したがって、部屋全体を加湿する事は初めからできません。(スチーム式を除く)
論より証拠に、
『加湿器 湿度』のキーワードで検索している人のうち、
『加湿器 湿度 上がらない』
と検索する人は第1位!

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それだけ、多くの人が、
せっかく加湿器を買ったのに、湿度が上がらない
と悩んでいます。
それは、加湿器や加湿方式の選択を間違っているのもありますが、最も重大な過ちは、
『適用床面積=加湿が可能な部屋の広さ』
と宣伝やセールストークにはめられてしまっている事です。
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加湿の適用床面積を見るよりも、加湿したい目的を今一度よく考えてみよう

誰も、本来、部屋中を加湿させる事が目的ではありません。
【加湿器を使いたくなった真の目的】
✔風邪を引かないようにするため
✔肌やのどの粘膜を保護し、美容・健康を保つため
あなたもそうでしょうし、ほとんどの方は、こうした目的を達するための手段として、加湿器を選択しているはずです。
そうすると、
あくまで、加湿させて守りたいのは、自分や家族など“人周り”
のはず。

“自分たちの周りが加湿されればいい”
と理解すれば、購入時の商品選択から変わってきます!
なぜなら、やたらと大きい加湿器を買う必要がなくなるからです。
仮に、部屋全体を加湿し続けられたとしたらそれはやりすぎ|乾燥から別の悩みに転じる
“加湿すればする程、広がれば広がる程良い”という単純な話でもありません。
部屋では、加湿器シーズンは合わせて暖房をつけている事が多いですが、かえって、高温多湿という状態を招きかねません。
下記は、アメリカ暖房冷凍空調学会(ASHIRAE)が作成した資料で、学会でも発表に使われるなど、数十年前から権威があるデータです。
ASHRAE(アメリカ暖房冷凍空調学会)/相対湿度と微生物等との相関関係
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相対湿度とは、簡単に言うと『室内の湿度』ですが、40〜60%が『快適ゾーン』になっています。
しかし、
快適ゾーンを境に、それよりも湿度が低くなっても諸要因によるリスクが高まりますが、同様に、湿度が快適ゾーンよりも高まっていっても、リスクが高まっていく
のが見受けられます。
特に、
は、湿度が低くても高くてもリスクが増大します。
一方、
ダニは、相対湿度50%台で既にリスクが顕在化
してきます。
こうした見方をするデータですが、これを見るだけでも、“湿度は高ければ良いというものでもない”というのが分かりますね。
ただ、このデータでは、室温との兼ね合いが分からないため、それを補ってくれるのが下記のグラフです。
このグラフは、昔のダイソン加湿器のカタログから抜粋したものですが、

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この青いライン上が、先程のデータでいう『快適ゾーン』だと解釈してもらえれば大丈夫です。
これを見ると分かるように、
室温の上昇とともに相対湿度は下げていかなくては、グラフ右上の“高温多湿”ゾーンに突入してしまいます。
(∵室温が高い程、空気中の水分量が増えるため湿度が上がりやすい)
いわゆる快適ゾーンから逸れてしまう訳です。
という状況に陥ります。
そして、これが大事ですが、
【温度・湿度から見た快適ゾーン】
✔室温20℃,湿度50%
✔室温25℃,およそ湿度40%
という数値です。
室温の高低によって、快適な相対湿度が変わってきます。
また、これを見て、人体にも空間にも『快適』とされる相対湿度は、あなたが思っていたよりもずいぶんと低かったのではないでしょうか?
もっとも、あなたの意思・判断でそれ以上に湿度を上げる事は結構ですし、その分、乾燥というフェーズの悩みは遠ざけられるでしょうけど、
先も言ったように、
※快適ゾーンをはみ出すと乾燥の悩み→別の悩みに転じる
✔カビ
✔ダニ
✔結露
✔だるさ(夏バテのような感じになる)
こうして、温度と湿度のバランスを考えずに、加湿偏重で考えると、悩みのフェーズが変わってしまうだけです。
したがって、
『快適』という観点では、加湿器で湿度を上げる事は、それ程上げる必要はない
んですね!
僕はいつも現場の接客で言っていますが、

仮に、室温20℃・湿度50%や、室温25℃・およそ湿度40%くらいまで加湿できたにも関わらず自身が依然乾燥を感じているようならば、水を飲んでオイルを塗って保湿しなさいと。
したがって、こうした諸々の理由から、
部屋全体を加湿しようという発想は持たなくていい
と言えます。
P.S.|とは言え、「湿度が足りなすぎる、あるいは、なかなか上がらない」と絶対的に湿度が足りず悩んでいる方は、スチーム式加湿器がおすすめです。
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P.S.|加湿は、空気清浄機と加湿器が一体になった『加湿機空気清浄機』で検討しているなら、購入後に後悔しないように、下記の記事を一読するのがおすすめです。
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